
挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は熊本県人吉球磨にて地域活性化を手掛けられている金川 俊介さん。地域を起点にコミュニティを育てる想いについて伺いました。
── 金川さんの現在の取り組みについてお聞かせください。
とあるプロジェクトで、熊本県の人吉球磨地域の活性化に取り組んでいます。2020年7月に起きた球磨川氾濫からの復興に加え、地域が抱える社会課題の解決も目指しています。
── 社会課題の解決。
例えば人吉地域には大学がなく、就職先もあまり多くないため、高校卒業後に地域外に進学した学生は地域外で就職することが多くなっています。その課題を解決するために、学生の頃から地域の自治体や企業と一緒に取り組むイベントを企画したり、また人吉球磨エリアと全国の社会人がオンラインで一緒に取り組めるプロジェクトを走らせるといった、前向きな課題解決策を考え、トライしています。
── そのお仕事のきっかけはどのようなところから生まれたのでしょうか?
実は地方創生をテーマにしたStartupWeekend(以下SW)が東京で開催された時に、地方創生に対する熱量を持った参加者と出会ったことがきっかけなんです。

熱を持った方々と出会ったSW Tokyo 地方創生(2015)
── 熱量。
そのSWの参加者が、自分自身の故郷や、何かしらのゆかりを持つ地域を何とか元気にしよう、盛り上げようと真剣に熱量高く取り組んでいる姿に感銘を受けたんです。そこから地域を回るようになって、地方活性化の面白みを感じるようになりました。
── 地方活性の面白み。
地域ごとに課題感が全く異なっていることも興味深いですし、課題解決を通じてどんな未来が生まれるんだろうという期待を持てるところも自分の中では刺さりました。
── そんな金川さんがSWに携わり続けているのはどんな想いがあってこそでしょうか?
一つ目は地方創生の文脈と重なるんですが、多様な地域の様々な特性を知ることができること、その地方で活躍されている面白い人に出会えることですね。そして二つ目は、SWが、現在の社会が失いかけている「受容性」を持っていることが大きいです。どんな人でも受け入れる、コミュニティの器が魅力ですね。
── コミュニティの器。
基本的にはどんな人も一旦受け入れる、安易に排除しない、という感覚ですね。SWが「ルールがないことがルール」をその理念として掲げているだけあって、人と人との接点が生まれやすく、輪が広がりやすくなっているように感じています。
── そんな金川さんが場作りをされる際は、何を大事にされていらっしゃいますか?
みんなが作りたいと思う場の空気を最優先にすることです。自分は特に前に出る必要もなく、自分が目立つ必要もなく、みんなが持っている想いが場に満たされるようなイメージです。

金川さんが前に出ず場作りに徹したSW神戸(2016)
── みんなが持っている想い。
アクションを起こす人を増やしていきたい。コミュニティを作って地域を盛り上げていきたい。世の中の課題を見つけていきたい。自分たちの周りから変えていきたい。そんな想いを体現するような取り組みは大歓迎です。
── そんな想いを持った人たちが集まるコミュニティを育て、継続するためには何が重要と考えられますか。
まずはコミュニティへの参加ハードルを下げることが大事ではないでしょうか。こんな人には来て欲しくない、といった条件は設けない。誰でもWELCOMEという姿勢が大事ですね。そして何より、コミュニティを育てたいと思う人が自ら動くことに尽きると思うんです。

誰でもWELCOMEの姿勢で地方に関わりたい方々のコミュニティも運営される金川さん
── 自ら動くこと。
コミュニティを育てたいという強い想いを持っているなら、地域で活躍していらっしゃる皆さまに会いに行って思いの丈を伝えるのも一手でしょうし、地域のイベントに積極的に参加するのも有効かもしれません。人と人との物理的な距離を縮めることで、自分自身の取り組みに反応してくださる人を増やしていくことが重要ではないでしょうか。
── そんな風にして育つコミュニティの中で、アイデアはカタチにするには何が大切でしょうか?
実はアイデアをカタチに、という言葉に少しだけ違和感があって、カタチになってこそアイデアが意味を持つ、というニュアンスだと僕は思うんです。
── カタチになってこそアイデア。
アイデアの語源って、イデアじゃないですか。こんなことがあったらいいな、という頭の中のイメージ。それを言葉で表現してしまうと、人によって受け取る意味合いが異なってしまう。だからこそ、具体的なカタチになってこそ、正しい理解が得られると思うんです。
── 興味深いです。
受け取った人がどう感じるかがバラバラであるからこそ、最小公倍数的に、多くの人にとってのメリットが合致して、かつ求められるものがビジネスとして成り立つと思うんです。なのでその理解の不揃いを避けるためにこそ、カタチにする試行錯誤があるんじゃないでしょうか。

カタチにする試行錯誤を導く金川さん
── 理解の一致を導くためのカタチ作り、新しい観点をありがとうございます。ちなみにそのプロセスを支える人は、何を心掛けるべきでしょうか。
心理的安全性が重要だと思っています。そのために大事な姿勢としては、挑戦する人自体を好きになること。
── 挑戦者を好きになる。
アイデアが全く具現化できていなかったとしても、全くカタチにするためのスキルが足りなかったとしても、考えることに耽ってアクションができていなかったとしても、そのありのままを受け入れる。促したり指導したりする気持ちをぐっと抑える。即時の結果を求めずに、数年後には大成しているかもしれないと考えて接することですね。誰もがすぐに結果を出せるわけないので。
── 受け止める姿勢の大事さを伝えてくださりありがとうございます。アイデアをカタチにするプロセス、そしてそれを支援するプロセスは、地域ならではの特徴があると考えていらっしゃいますか?
都会の常識が通じないからこその工夫が必要なところではないでしょうか。
── 都会の常識。
こんなことはやっているハズだ。あんなことも何故やっていないのか。といった風に都会から地域に移ると多くの人は感じると思うのですが、地域にとっては「ない」という環境が当たり前なんです。その中で関係を作り、頼ってもらい、一緒に作っていくことが大切なんです。
── 頼ってもらうこと。
先日、薩摩会議というイベントに出席したのですが、その参加者からこんな言葉をもらいました。信用から信頼へ、信頼から信託へ。信用して仕事を任せ、実績を通じて信頼に変わる。信頼を通じてお互いの意思疎通が出来上がって信託になる。都市部だと取引先は無限にいるからこそ、表面上の情報で相手を”信用”してお仕事を任せるだけで十分。けれども地域では根差したお付き合いが必要だからこそ信頼以上が必須なんです。
── 信頼以上へと至るには何が大事でしょうか?
笑われるかもしれませんが、仕事で結果を出すだけでなく、会う回数を増やすことが大事だと思います。ポイントはお仕事の文脈以外でも積極的に接点を持つこと。例えばお取引先が土日のマルシェに出店していれば、そこに遊びに行ってみるとか。人が持つ様々な側面を理解し合うことで、関係性は深まっていきます。

人吉球磨で開催されたマルシェの様子
── その人の人生に点ではなく面で向き合うことが大事なんですね。それでは最後に、金川さんのように地域を元気にしたいと願う仲間にメッセージをいただけますか?
何かの形でご一緒できれば嬉しいです。僕はフットワークが軽いので会いに行きますよ(笑)お互いがこれまで培った知識や経験、そして熱量や人脈を分かち合って、地方との接点をもっともっと増やしていきましょう。より良い地方を作りたいと願う皆さまとお会いできることを楽しみにしています!
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