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挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は島根県でITのコンサルテーションに従事されるきむら しのぶさん。アントレプレナーを支える在り方やコミュニティが持つ価値について伺いました。

── 木村さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

主な業務はITのコンサルテーションに従事していて、組織でのIT利活用支援や課題解決のためのシステム導入支援や自社のサービス開発を手掛けています。また、しまね産業振興財団の一部署であるソフト研究開発センターの研究員として、県内企業における機械学習(AI)技術の導入サポートを行なっています。

── ITに特化していらっしゃるんですね。

仕事はITですが、元々電気の技術者なのでIT以外の分野の知見があることが強みだと感じています。また、プライベートでは地域の子供たちの教育に関わっています。子供の通う小学校でPTAの役員をしながら公民館では子供に色々な体験を提供する活動に参加しています。

── 子供に色々な体験を提供する活動。

例えば島根県に佐太神社という歴史ある神社があって、そこでユネスコ無形文化遺産に指定された神楽が承継問題に直面しているんです。それを子供たちに体験してもらって後継者不足問題解消につなげるような活動など、様々な活動に参画しています。

神楽の承継に向けて子供たちに体験を届けるなど教育にも参画されるきむらさん

── ITと教育の二軸でご活躍がスタートアップのコミュニティに携わり始めたのは、どういったきっかけがあったのでしょうか?

ダブルノットの高林さんの影響ですね。彼と知り合ったのは彼が起業してすぐの時で、お互い何かやる時には協力していきましょうよと話をしていたんですね。それからしばらくして彼がStartupWeekend(以下SW)を鳥取に持ってきます!宣言を始めて、熱烈なお誘いを受けたんです。米子でプレイベントをするので気て下さいよ、って(笑)

── 高林さんからの熱烈なお誘い(笑)

実はその時は正直、全く意味が分からなかったんです(笑)プレイベントでは1分間ピッチにチャレンジしていて、思いつきのアイディアのような絵空事に何の意味があるんだろうかと心配になっちゃったぐらいです(笑)けれども、彼からの説明を聞いて共感し、同時に価値も見出すことができました。

── 価値。

世の中の課題として「考えない人が一定数いる」ということがあると僕は思っているんです。必ずしも起業することが正義ではないけれども、起業体験を通じて必死に考えて気付けることがあるんだなと。SWというスキームは行動を通じて考えを促し、物事を他人事から自分事にする可能性があるんじゃないかと感じました。

物事を他人事から自分事にする可能性をSWに見出されたきむらさん

── そこから関わりが更に深まったのは、どういったきっかけだったのでしょう?

ダブルノットで働かれている谷野さんという方から、ある日突然連絡が入ったんです。島根県の石見地方でコミュニティを立ち上げたいので、スポンサーを最初にお願いしたいと。代表の高林曰く、まずは木村さんのところに行けば断られないから!木村さんが最初にスポンサーに入れば他にも協力してくれるから!とのことで(笑)

── 関係性を盾にスポンサー依頼(笑)

ここまで信頼と信用を置かれている中で、それを裏切る人でなしなことはできないと思って本格的に関わることにしたんです。そしてSW石見にあれもこれもと関わってみたら、お祭っぽい空気感はありつつも、参加した方々の将来にいい影響を及ぼす活動だと強く感じたんです。

── SWに参加者を送り込まれるようになったのは、その影響でしょうか?

実は最初はたまたまで、人が足りてないから紹介してくれと言われたので案内したんです(笑)けれどもそうやって人を送り出してみると、気付きや学びを持ち帰ってきてくれる。じゃあ、迷える子羊ではないけれども、日々に悶々としていてブレイクスルーが必要そうな人に参加を促していこうと思ったんです。

ブレイクスルーが必要そうな方々をSWに送り込み始めたきむらさん(SW石見2022)

── そこからさらに一歩踏み込んで、コーチやスポンサーからオーガナイザーに回られたのはどういった背景がありましたか?

もちろんお金を出して支援はしつつも、そうやって人を送り込んでいるうちに、僕が偉そうに話をしているだけというのはちょっと無責任だなと思っちゃったんですね。さらに松江でも開催することが決まったのでもっとしっかり関わろうと。そこで米子で開催する時にプレイヤーとして飛び込んで、深く関わることを決めました。

── SW松江に関わられてみて、如何でしたか?

松江には既にスタートアップのコミュニティが他にもいくつかあるのですが、SWは既存のものとは少し違うポジションの場だと感じています。

── 今までにないポジション。

松江商工会議所さんや松江市さんが取り組んでいる活動があるんですが、商工会議所さんのものは本気度の高い起業家の方々が集まる場所で、松江市さんのものはこれから何かをしたいと思っている方々の交流会が中心、その二つの中間がなかったんです。SW松江は、これから何かを始めたいと思う方々が実践を通じて学んでいく良い場所になると思います。

何かを始めたいと思う方々が実践を通じて学ぶ場として立ち上がったSW松江(2023)

── その実践についてお伺いをしたいのですが、アイデアをカタチにする時の大切なポイントとはなんでしょうか?

仲間作りに尽きると思います。やっぱり一人で出来ることは限られてしまうからこそですね。一人だけでは出来ないこともできるようになりますし、メンタルをやられる確率も下がっていきます。その仲間作りにSWのような場があることが大事ですね。

── その心は。

同じ体験をした人たちが増えていくので、何か新しいことを始める際に説明が不要になって、仲間集めが円滑になっていくんです。例えば「こういうことやりたいよー」と伝えるにしても、全く方法論が分からない人に聞いてもらうよりも、共通言語を持った方々に聞いてもらった方が、物事は簡単に前に進んでいきます。

── そのアイデアをカタチにする挑戦を支える人は、何を心掛けるべきでしょうか?

子育てと同じだと思っています。自分が通る中で苦しんだ道をこれから同じ道を歩む相手に通らせないようにしようと思ってしまいがちですが、存分に苦しみ困っていただきましょう(笑)もちろん、それで崩れ落ちてしまってはダメなので、後ろで支えつつ。

── 失敗させないように、ではなく、倒れないように。

子育ての中で、その子が出来るようになったことは、その子のおかげ。親の努力の結果ではなく、その子の努力の賜物だと考えること。という言葉をどこかの講演会で聞いて、起業家教育もこれだなと思ったんです。支援者はあくまで支えただけ、あくまできっかけを届けただけ、その感覚を持ち続けることが大事ですね。

あくまで支援者としてきっかけを届け続けるスタンスを忘れないきむらさん

── そんな方々が集うスタートアップのコミュニティの発展には、何が大事でしょうか?

継続的な接触と交流が大事ですね。実は僕は冬になると毎年、知り合いの牡蠣業者さんから牡蠣を一斗缶で仕入れて売り捌いているんですが、面白いことが起こるんです。

── 面白いこと。

牡蠣めっちゃ好きです!と言って昨年にもの凄くたくさん買ってくれた人から、注文が来ないんですね。あんなに大好きって言ってくれたのに、冬のシーズンになっても連絡がくれなくて。そこで気になって連絡してみると、そろそろ時期だと思っていましたよ、ってお返事をくれるんです。こっちとしては、そう思っていたなら連絡してくださいよ、って思っちゃう(笑)本質的には、コミュニティもこれも同じだと僕は思っているんです。

── 牡蠣売りとコミュニティは同じ(笑)

集まりに興味関心は持っていたり、それが良いと思っていたとしても、敢えて自分からは行かず、声を掛けられるのを待っている、という方々が一定数いらっしゃるんです。だからこそ、運営側は待ってちゃいけない。継続的に関係各位と連絡を取り、相手の状況を理解した上で適切なお誘いをすることが大事なんじゃないかなと思っています。

── 適切なお誘い。

もちろんいろんな都合があって全ての機会でご一緒することはできないけれども、時にはこちらから積極的に、半ば強引に誘うのも大事なポイントです。例えば煮詰まっている人に対して「君はここに来るべきだよ」と説き伏せて新しい発見を促すようなイメージですね(笑)強引さと強引じゃないお声掛けと、二律背反が大事じゃないでしょうか。

牡蠣を一斗缶で仕入れて売り捌く中で気付かれた二律背反のお声掛け

── コミュニティの盛り立てに向け素敵な方法論の共有をありがとうございます。木村さんご自身は今後、どのような挑戦をされる予定でしょうか?

SWに関わり始めて思うのは、上手くいく、上手くいかないことはもちろんありつつも、自分自身のプロダクトを作る楽しさですね。これまで受託とか頼まれたことをするのが中心になっていたんですが、生活の中で見つけた課題感に対してプロダクトを作って世の課題解決をしていきたいですね。

── 最後に、スタートアップのコミュニティを支える全国の仲間たちにメッセージをいただけますか?

コミュニティだからこそ行動を続ける心構えを忘れずにという言葉を選ばせてください。

── 行動を重ね続ける心構え。

コミュニティって山あり谷ありなんです。来る人が少なくなって悲しくなる時もあるかもしれない。けれどもまたある日突然、山が来るかもしれない。そして同様に今は盛り合っていても、いずれは閑古鳥が鳴くかもしれない。そんなふうにして波に一喜一憂しつつ、続けていくことこそがコミュニティの価値だと僕は思うんです。

リフォームされた古民家を活用しコミュニティ運営も手掛けるきむらさん

── 継続こそコミュニティの価値。

人って凄まじい勢いで忘れていくんです。もちろん生きている間もですし、世代や時代が変わると失われていくものがたくさんあります。コミュニティは、ビジネスと異なり取り組みが儲からなかったとしても、人々がそこに関わり伝統や考え方を継承していきます。このスタートアップの文化もコミュニティを作り継続をすることで、本当の意味で地域に根付いていくに違いありません。

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Founder’s Circle は、アイデアをカタチにする始まりの場。スタートアップに挑戦したい。起業に興味関心がある。そんな仲間が集う若手限定のオンラインコミュニティです。アイデアを考案したり、試作設計をしてみたり、資金調達を学んだりと、様々な角度から気付きを深めていきます。もし、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ登録いただけると嬉しいです。

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interviewer / 中本 卓利Facilitator. Community Manager. Evangelist.