
挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は屋久島と首都圏で二拠点生活をされる須藤 優花さん。自然を愛し自然を活かした働き方を展開する生き方と想いについて伺いました。
── 須藤さんの現在の取り組みについてお聞かせください。
個人事業主として三足の草鞋で活動しています。一つ目が自然電力という自然エネルギー100%の世界を共につくる、というベンチャーの採用を担当しています。
── 二つ目の草鞋は?
二つ目は、屋久島にある、Sumu Yakushimaというリジェネラティブ施設の運営に関わっています。一つ目とも共通するんですが、私は自然が大好きで、個人としても自然に生きることにテーマを持っているんです。自然の中で暮らすことで自然に共鳴して、自分の在り方・生き方がピュアになっていくのを屋久島で感じ。それで今年から屋久島と首都圏とで二拠点生活をスタートさせました。

リジェネラティブ施設Sumu Yakushima
── リジェネラティブという言葉を初めて聞きました。
環境再生、という概念で、環境への負荷を減らすというよりは、環境をより良くするという考え方です。Sumu Yakushimaは、リジェネラティブ建築なので、例えば施設を建てる際も高床式にすることで基礎の土が呼吸できるようにしたり、焼いた炭を杭にすることで周りの微生物が活性化されたりといった風に、通常、環境に負荷を与えることが多い建物が、逆に周りの環境を元気にしています。
── 自然に生きる須藤さんの三つ目の草鞋は?
キャリアコーチングです。法人から個人まで様々な皆さまにお届けさせていただいています。採用という現場で感じる男女の年収格差を課題に感じているので、転職を考えている女性の方にキャリアシートの添削や、面談や面接への表現方法のアドバイスまで行ったりもしています。
── 多彩にご活躍されていますね。その生き方にはどうやって辿り着かれましたか?
自分がわくわくするところ、惹き付けられるところを追求していったら、必然的にこうなったんです。

わくわくすることを追求し続けた須藤さん(屋久島)
── わくわくすることはどうやって発見を?
いろんなことを試したからですね(笑)例えばコーチングはコワーキングスペースの運営時代にやってもらったことがきっかけなんです。面白かったので自分でも資格を取ってみて、勇気を振り絞ってお金を取ってみてやってみたんです。そうすれば意外と喜ばれることが多いってことに気づいて。自信がついていったんです。私は私の価値を伸ばせばいいんだって。
── 自分の価値を伸ばす。
昔は、自分はできない、自分には足りないものばかり、ってずっと考えていたんです。自信がないから、もっと新しいことを学ばなくちゃという意識があった。けれどもコーチングは、今のままでもお客さんが喜んでくれるという自信がある。その上で、もっとできることはないか、と追及する感じです。自分で自信が持てるものを磨き上げていく意識でいると、挑戦も段違いに楽しいのだと気付きました。なので、次は屋久島の大自然とコーチングを組み合わせることで、より多くの人が自分自身の源泉に触れて、自分自身に沿った生き方を発見できるような、そんなプログラムを作っていきたいですね。
── そんな風にして自分の心を世界に体現している須藤さんからみて、どうすれば自分の心に沿った未来を作り上げられると考えていますか?
余白を持つこと、検証すること、そして勇気をもって手放すこと、だと思うんです。例えば、自分にとって本当にびびっとくるようなことがあったとしても、毎日忙殺されるぐらい一生懸命に働いていると、本当にこれで良かったんだっけ?って気付けないじゃないですか。なのでルーティーンから抜け出して余白を持てるよう、新しい人に出会ったり休暇を取ることを意識的にすることが大事ですね。
── 次の「検証すること」とはどういうニュアンスでしょうか?
スタートアップのアイデアも、本当にこれで大丈夫かな?って検証するじゃないですか。人生もきっと同じで、びびっと来た時に、それが本当かどうかテストするのが良いと思います。例えば私は屋久島にビビっと来た時に、離島が好きなのか屋久島が好きなのか大自然が分からなかったんですね(笑)なので、他の離島や自然が深い地域に実際に行ってみて、びびっとくるか試したんです。でも、どこに行っても屋久島が忘れられず。それで屋久島に落ち着きました(笑)

本当に屋久島が好きなのかを検証し続けた須藤さん
── スタートアップも人生も検証が重要ですね。最後の「勇気を持って手放す」についてお伝えいただけますか?
屋久島が私の居場所だ!って思って移住しようと思って会社に相談したら、正社員のままだと無理だって言われちゃったんですね。業務委託に切り替えるしかないよと。正直、不安だったんです。今後融資を受けたくなった場合の信用とか、業務委託になった途端に、すぐに会社の仲間と一緒に働けなくなるかも。といった具合に。けれども、自分の心の中では、覚悟が決まってたので、勇気を出して踏み出してみたんです。そしたら、何の心配もなかった!むしろ正社員という傘がなくても、自分は大丈夫だったんだという自信がついて、その分が新しい余白になった感じです。
── 踏み出すことで自信がつく。
コーチングも一緒でした。初めて、お金をもらってコーチングをやった時、お客様からこんなものか、と思われたらどうしよう、とか、資格取得後、審査制のプラットフォームの試験を受けた時、恥をかくかもしれないって恐怖があったんです。けれども、その恐怖の中で一歩を踏み出したからこそ等身大の自信がついた。だからこそジャッジしてもらう場所に行こうって思うんです。もしかすると上手くいかないこともあるかもしれないけれども、貴重な検証にもなり、行動量が増えていく。だからこそ、怖いと思うことをやる勇気が大事、ですね。
── 思い返してみると、怖いと思うことは最近やってなかったので、自分もそろそろ行動を起こさないとなと焦り感じました。逆に、そんな風にして新しい挑戦を始める方を支える立場の人は何を大事にすべきでしょうか?
支援する人は、まず自分がしっかりすること。例えば相手を励ますにしても、その言葉を自分自身が体現できてなければ、きっと相手には届かない。なので、自分の言葉と自分の在り方を一致させることが重要だと思うんです。
── 表裏一体。
言葉って本当に思っていないと、上滑りするんですね。軽々しく聞こえてしまって相手に響かない。言葉に重みをもたせるためにも、自分の言葉と在り方に一貫性があるかの確認と、そこに自信を持つことが大事ですね。そしてもう一つは相手を信じ切る。
── 信じ切る。
目の前の人には無限の可能性があるんだって信じること。支援する人は、自分自身を貫き、そして相手の想いを信じ切ることで、動き出す人の本当の支えになれるんだと思うんです。タクトさんがいつもやってくれていることです(笑)
── 自分はただ、誰もが変われると、始められると、信じているだけです(笑)そんな風にして、挑戦する人たち、そして支援する人たちが集い、コミュニティが出来上がっていった時、どうすればより良い関係性を紡ぐことが出来ると考えられますか?
繊細な力が大事だと思うんです。
── これもまた人生で初めて耳にしました(笑)
例えば屋久島の縄文杉、目に見える巨木に凄いって圧倒されちゃうんですけど、沢だったり微生物だったり、その多様で目に見えない環境が縄文杉を育てている。だから、目に見えているものだけじゃなく、これまでは価値の在り処が分かっていなかったものも含めて、多様な軸を持って接することが大事ではないでしょうか。

目に見えない多様な価値に支えられ成り立つ大自然
── 抽象度が高いので、少し例に落としていただけますか?
例えばStartupWeekend(以下SW)であれば、起業したい、アントレプレナーになりたい、そんな方々が集うコミュニティだと思うんですね。けれども、そこに集う誰もが起業家である必要はない。関わり方は人それぞれ自由。
── 自由であること。
例えばSWつくばのコミュニティって、本当にゆるやかで多彩な繋がりなんですね。たまに見学に来てご飯を食べるも良し、ファシリテーターを務める岩城さんの家に泊まりに来るだけでもいいんです(笑)起業家を最優先!ではなく、多様な関係者が集ってこそ成立する形が望ましいと思うんです。コミュニティに共感したより多彩な人たちが、一緒に繁栄していけるように。結果として大きくなった起業家という縄文杉が立つ、そんなイメージです。

ファシリテーター岩城さん宅に集うコミュニティの仲間
── 起業家という縄文杉。
縄文杉は大きいので注目されがちですが、実は、その縄文杉を存在たらしめている、周りの環境にも、アントレプレナーがたくさんいると思います。その繊細な力を含めて、価値を見出し、存在を認めるとき、関係性が豊かになり、コミュニティも豊かになると思います。
── スタートアップのコミュニティも多様性が大事。素敵な言葉をありがとうございます。最後に、須藤さんのように地域で何か新しいことを始めたい方にメッセージをいただけますか?
ローカルの持つ力を活かして、一緒に楽しみましょう!
── ローカルの持つ力。
ローカルには余白がたくさんあって、都市部では見失いがちな繊細な力が残っています。例えるなら東京は効率的に耕された大型ファーム、ローカルは自由に耕せる裏庭の畑みたいなイメージです(笑)その力を活かしましょう、ということ。そして各々が自由に活動していても、同じ時代の同じ地球上で起きていることとして、全ては繋がっているので、その感覚を忘れずに取り組むことが重要だと思うんです。
── 繋がっていることを忘れない。
誰がどこで活動していたとしても、何かを変えていきたい、花を咲かせたいという思いは同じだと思うんです。自分たちが個々人として取り組んでいることは、社会が持っている大きな流れや情勢といったムーブメントの上に乗っているからこそ、みんなで一緒に世界を良くするために取り組んでいるんだと私は感じています。

世界を良くするため仲間とアイデアをカタチに(SWつくば2018)
── 誰もがアントレプレナーシップを持つことに他らないですね。
スタートアップの文脈で表現するとそうですね(笑)心の中に生まれたアイデアやエゴを恐れず育ててみてください、と言い換えられるかもしれません。その想いが自分のためだけでなく、他の存在たちに貢献できるピュアなものであれば、たくさんの人や環境が繋がり合って助けてくれると思います。正しい、正しくないはいったん脇に置いて、自分の人生を生きていくんだという想いを胸に抱いて、開放してください。それがきっと、一人一人の人生を豊かなものに、そして世界を良くする道へと繋がっていると思うんです。
* * *
Founder’s Circle は、アイデアをカタチにする始まりの場。スタートアップに挑戦したい。起業に興味関心がある。そんな仲間が集う若手限定のオンラインコミュニティです。アイデアを考案したり、試作設計をしてみたり、資金調達を学んだりと、様々な角度から気付きを深めていきます。もし、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ登録いただけると嬉しいです。